高田整形外科病院 〒771-0203 徳島県板野郡北島町中村字東堤ノ内30-1
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肩腱板断裂


MRI 冠状断像
MRI 冠状断像
腱板(棘上筋腱)に欠損がみられます(矢印)

 


原因と病態

表層を覆う三角筋という大きな筋肉の下層に、上腕骨頭を取り囲む腱の複合体が存在します。これが腱板です。三角筋と腱板が協調することで、手をスムースに挙げることができます。腱板は骨と骨(肩峰と上腕骨頭)に挟まれており、解剖学的に損傷が生じやすくなっています。転んで肩を打ったり、加齢などで腱板が劣化することによって、腱板断裂が起こります。明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がありません。野球や水泳などのスポーツ障害では、腱の一部のみが断裂する不全断裂が生じることがあります。

症状

肩に痛みがあり、痛みで夜間に目が覚めることもあります。自力では腕が挙がりづらく支えが必要で、途中で手を離すと保持できずに腕が落ちてしまいます。五十肩と異なり関節の動きは比較的良好なのが特徴です。挙上するときにゴリゴリという軋轢音がすることがあります。

診断

腕をうまく挙上できず、軋轢音や筋萎縮(棘上筋など)が認められれば腱板断裂を疑います。
X線(レントゲン)検査では肩峰―上腕骨頭間の狭小化がみられ、超音波検査・MRIでは腱板の断裂が確認できます(上図)。

治療

保存療法
保存療法としてはリハビリが大切で、可動域訓練や残っている腱板の機能を賦活させる腱板機能訓練を行います。痛みが強い場合は、ヒアルロン酸や副腎皮質ステロイド薬の関節内注射が有効なこともあります。保存療法で断裂部が自然治癒することはないのですが、痛みがとれて自動挙上が可能になる方はたくさんおられます。
手術療法
保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは、手術を行ないます。
手術で断裂した腱板を修復するのですが、最近は低侵襲で手術後の痛みが少ない関節鏡視下手術が普及してきています。断裂が大きく、腱板の欠損が広範囲にみられる場合には、大腿の筋膜を移植したり、肩周囲の筋肉を移行して断裂部を覆う大がかりな手術が必要になることがあります。手術後は断裂のサイズや手術法によっても異なりますが、約4週間の固定と3~4ヵ月の機能訓練が必要です。