高田整形外科病院 〒771-0203 徳島県板野郡北島町中村字東堤ノ内30-1
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関節リウマチ

関節リウマチ
関節リウマチのX線画像(末期)
関節リウマチのX線画像(末期)
手関節の骨破壊が著明で関節強直がみられる(矢印)


概念

関節リウマチは、自分の身体の一部に対して抗体をつくって反応をおこす自己免疫疾患の1つです。関節の中にある滑膜という組織に慢性の炎症が生じ、しだいに自分の軟骨や骨を破壊し、様々な程度の機能障害を引き起こします。原因は何らかの遺伝的な背景を持った人に、歯周病や喫煙などの環境的な要因が加わり発症するといわれています。関節リウマチでは、シトルリン化された蛋白に対する抗体(抗CCP抗体)が産生されることが特徴的で、これが関節リウマチの発症につながっているのではないかと考えられるようになりました。歯周病ではある歯周病菌がシトルリン化酵素を持っていて、シトルリン化蛋白が産生されます。また喫煙もシトルリン化作用を促進するといわれています。

疫学

国内のRA患者は約80万人で、有病率は0.33%で女性に多い病気です。

診断

腫脹・圧痛関節数、血清学的検査、滑膜炎の期間、急性期反応の各項目を点数化して(ACR/EULAR 分類基準)早期診断を行います。診断がつかない関節炎は診断未確定関節炎と呼ばれますが、25~50%は1年以内に症状が消失し、30~50%が関節リウマチに移行するとされています。
X線では骨びらんが特徴的ですが、発症早期にはみられません。超音波やMRIでは滑膜炎の状態が確認でき、MRIでは骨髄浮腫も描出されるため早期診断に役立ちます。
血液検査としては、リウマトイド因子(RF、抗CCP抗体)の検査が有用ですが、血清リウマトイド因子陽性というのは診断基準の一つを満たすのみであり、この結果だけで関節リウマチと診断することはできません。
関節リウマチでは、関節以外の合併症が現れることもあります。皮下結節(リウマチ結節)、肺疾患、アミロイドーシス、末梢神経炎、眼の上強膜炎、貧血、骨粗鬆症などです。

治療

関節リウマチでは早期の治療が大切で、薬物療法、リハビリテーション、手術療法、基礎療法を行います。目指すのは、自覚症状も関節破壊もすべて抑えられている「機能的寛解」状態です。
1.薬物療法
抗リウマチ薬がその中心となり、発症早期(3カ月以内)に開始することが推奨されています。最近、新しい抗リウマチ薬であるサイトカイン阻害薬が使用できるようになり、関節リウマチの治療が格段に向上しました。この薬の効果は非常に強力で、患者さんの70〜80%に効果があるといわれています。ただ、この薬は免疫機能を抑えるため、感染症などの副作用に対する注意が必要なことと、高額であることが欠点です。
2.リハビリテーション
運動療法、理学療法、作業療法、補助具を使った療法などがあります。運動には、ストレスを軽くして免疫力を高め、関節が固まるのを予防する効果があります。無理のない範囲で体を動かして下さい。
3.手術
人工関節置換術、滑膜切除術、手指の腱断裂の手術、足趾の関節形成術、頸椎の除圧固定術などが行われています。
4.基礎療法
食事に関しての制限はありません。栄養のバランスを考えて、いろいろなものを食べて下さい。ただ肥満は関節に負担をかけるので気をつけましょう。飲酒は関節の腫脹を悪化させます。ストレス解消のため、睡眠をしっかりとって規則正しい生活を心がけて下さい。
喫煙は概要で述べたように関節リウマチの発症リスクが高くなりますし、治療薬効果が減弱します。呼吸器合併症の発症にも関与しますので禁煙が必要です。