高田整形外科病院 〒771-0203 徳島県板野郡北島町中村字東堤ノ内30-1
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骨粗鬆症性脊椎骨折


X-p 側面像
X-p 側面像

MRI 側面像
MRI 側面像
X-pでは数か所椎体変形がみられますが、MRIで新鮮骨折は第2腰椎のみと診断できます(矢印)


概要

 脆くなった脊椎椎体が押しつぶされて変形してしまうのが骨粗鬆症性脊椎骨折です。70歳代では約30%に認められると報告されています。 胸腰椎移行部が好発部位です。多くは転倒し尻餅をついたときに生じますが、その他重量物の挙上・農作業などが原因となります。全く誘因のない場合もあり、所謂「いつの間にか骨折」と呼ばれています。
 痛みには特徴があり、寝ている姿勢から起き上がろうとする瞬間に鋭い痛みが生じますが、一旦立ち上がれば軽減して歩行もなんとか可能です(体動時痛)。
 多発性に椎体骨折が生じると背中が丸くなって、バランス障害・呼吸障害・胃食道逆流症を引き起こすことがありますし、椎体の後壁が損傷されれば後方にある神経が圧迫され、下肢の麻痺が生じます。

診断

X線検査・MRI検査を行い、受傷した部位と骨折の程度を判断します。
骨折の変形が少ないとX線検査では見逃されることがあります。一方 MRIの診断率は高く90数%以上の確率で診断できますし、陳旧性骨折、転移性腫瘍、感染などとの鑑別に有用です。また後方にある神経の圧迫の有無も確認できます。

治療

 基本は保存治療ですが、安静臥床や体幹固定の期間・方法に関して、一定の見解が得られていません。痛みの強い間はベット上安静としますが、高齢者は臥床によって1日当たり1.5%筋力を失うともいわれていますので、早期離床も大切です。 受傷後1か月の間、骨折部は不安定ですので、柔らかいコルセットより硬めのコルセットを使用するのが安全と思います。寝起きの際には大きな力が骨折部にかかりますので、畳よりベットでの生活を勧めています。固定中でも体幹筋を鍛え、再度転倒しないようにバランスの訓練が必要です。
 受傷から1年後には患者の8~9割が受傷前の生活レベルに復帰することが可能とさせています。15%前後が偽関節(骨癒合が得られなかった状態)になるといわれ、痛みが残存して寝たきり状態に陥りやすくなります。そのため疼痛が残存、脊柱後弯変形が進行する場合は、経皮的椎体形成術(椎体内で風船を膨らまし、その内部にセメントを注入して固定する)が適応となります。また椎体圧潰を来し遅発性の麻痺が生じた場合は、脊椎除圧再建術を検討します。
 最初の1か月の間に変形を進行させないようにすること、再び骨折しないようにするために、リハビリや骨粗鬆症の治療を継続することが大切です。