五十肩とリハビリテーション

1.五十肩とは

2.運動をしましょう
 (1)肩の拳上
 (2)肩の左右への倒しこみ
 (3)肩の後方への動き
 (4)肩の左右への捻り
 (5)肩の背中での拳上

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1.五十肩とは

いわゆる五十肩とは、肩関節周囲炎の俗称で、40〜50歳代に好発し肩関節部の疼痛と拘縮をき
たすのでこう呼ばれ、日常の会話にも良く使われるほど多くの方が経験する疾患です。
この主症状は有痛性の拘縮で、疼痛は運動痛とともに夜間痛があることも特徴で苦痛を与える
し、肩関節だけでなく頚部や上肢に放散痛があることもあります。

肩関節の構造的・機能的特徴をまとめると次のようになります。

 (1)肩関節とは、5つの関節から構成される複合体であり、約20種類もの筋の連携により
  その複雑な動きを可能にしている。
  5つの関節とは、
   @肩甲上腕関節
   A第二肩関節
   B肩鎖関節
   C胸鎖関節
   D肩甲胸郭関節
   のことで、これを肩関節複合体と呼ぶ (図2)。
 (2)肩甲上腕関節は、大きく球状をした上腕骨頚部と、比較的小さい受け皿のような形をした
 肩甲骨側の関節窩により形性されるため、ボール・アンド・ソケットと称され可動性に富むものの、
 その一方では安定性に乏しいという機能的特徴を有しています (図1)。
 肩関節が他の関節と比べて特徴的なことは、上腕骨頚部を納めておくべき肩甲骨との間に
 なんら骨性の基盤が存在しないということです。

肩甲上腕関節の構成図(図1) 肩関節複合体の構成図(図2)

五十肩の理学療法の主な目的は、主に関節可動域の改善にあり、棒などの器具を使用して行う
運動やストレッチング、肩の充分な筋力の獲得により協調性のある動作の獲得にあります。
以下に、肩関節の可動範囲改善と筋持久力アップを兼ねた運動の具体的方法を紹介します。

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2.運動をしましょう

各運動に共通する注意点は次のとおりです。
  1. 強い痛みが出る手前までにすること。少しの動きでも痛みが強い場合はその動きは中止する。
  2. 最初は寝た状態(腕の重みが肩に負担にならないようにするため)で行ない症状が改善されてから 座った状態で行うこと。
  3. 痛みのある肩には出来る限り力を入れない。
  4. 肩を動かす間は、息を吐くか止めること。
  5. 筋肉の持久力をつける(疲れにくくする)ためにある程度の回数をこなすこと。(痛みが強くない場合)
  6. また、ここで示す回数はひとつの目安であり、疲れや痛みの程度に合わせて増減してください。

(1)肩の挙上

棒(ゴルフクラブ、モップの柄、杖など)を肩幅より広めに握って、痛みのある肩で棒を動かさずに、
腕を下げた状態から、痛みのない腕で棒を挙上して(助けてやるように)痛みのある肩を挙上させ元に戻し、
これを繰り返す。(図3、図4)
そして、痛みの軽減に合わせて、両手の幅を狭めていく。(図5)
ゆっくりと動かすことを意識しながら、最低、10回あたりで休憩を入れて全部で50回する。

肩の拳上の運動の写真No1図3 肩の拳上の運動の写真No2図4 肩の拳上の運動の写真No3図5

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(2)肩の左右への倒しこみ

棒を肩幅より広く握って、肩を痛みのあるところの一歩手前まで挙上して、痛みのある肩で棒を動かさずに、
痛みのない腕で棒を引っ張るようにして痛みのある肩を倒す。(図6)
次に、痛みのない腕で棒を押すようにして痛みのある肩を反対側へ倒し、これを繰り返す。
そして、痛みの軽減に合わせて、両手の幅を狭めていく。(痛みのある腕の動く範囲が広がっていく) (図7)
ゆっくりと動かすことを意識しながら、最低、左右10回 ずつ動かしたあたりで休憩を入れて全部で50回行う。

(注)痛みが強くて肩が45度以上挙上出来ない場合は、この運動は中止し、
肩が45度以上挙上出来るようになってから行う。決して、無理はしないこと。

肩の左右への倒しこみ運動の写真No1図6 肩の左右への倒しこみ運動の写真No2図7

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(3)肩の後方への動き

棒を肩幅より広く握って、背中越しに棒を両手で握って、痛みのない腕で痛みのある肩を後方へ動かし
元に戻し、これを繰り返す。(図8、図9)
そして、痛みの軽減に合わせて、両手の幅を狭めていく。
ゆっくりと動かすことを意識しながら、最低、10回あたりで休憩を入れて50回行う。

(注)この動きは、座った状態(立ってするよりも安定して痛みが出にくい)で行うほうが腕の重みは掛かり難い。

肩の後方への動きの写真No1図8 肩の後方への動きの写真No2図9

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(4)肩の左右への捻り

棒を肩から肘までを身体にぴったりと付けた状態で握って(両腕が平行になるように)(図10)
痛みのない腕で押して痛みのある肩を捻り(図11)
次に、反対側へ痛みのない腕で引いて 痛みのある肩を捻り(図12)、これを繰り返す。
ゆっくりと動かすことを意識しながら、最低、左右10回ずつ動かしたあたりで休憩を入れて50回行う。

(注)捻る間も決して身体から肩から肘までが離れないように注意する。

肩の左右への捻りの写真No1図10 肩の左右への捻りの写真No2図11 肩の左右への捻りの写真No3図12

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(5)肩の背中での挙上

背中越しに両手でタオルを握って(痛みのある腕を下にして)、痛みのない腕でタオルを上へ引っ張ってやり
元に戻し、これを繰り返す。(図13、図14)
ゆっくりと動かすことを意識しながら、最低、5回あたりで休憩を入れて10回行う。

(注)この動きは、かなり痛みを伴う動きなので、ある程度症状が改善してから行うこと。決して、無理をしないこと。

肩の背中での挙上の写真No1図13 肩の背中での挙上の写真No2図14

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